回答投稿日時:2016/2/2 20:23
文化というのは、物質的成果を主に言う文明に対比して、精神的成果を主に言います。学問、教育、美術、芸術、音楽といった分野ですね。
ヨーロッパの中で、そうした分野を生活に根付かせる中心的役割を担い、現在も率先してそれを演じているのは、フランスとオーストリアではないかと思います。この両国はハプスブルク文化圏の中心地で、政治の中心と文化を融合させました。
この後の政治的中心地であるイギリス、ドイツはヨーロッパ文化の中心にはなりませんでした。イギリスは大陸ヨーロッパとは別個の発達をしましたし、その後、ひたすら政治的に拡大しました。
ドイツも同様に、コアなヨーロッパ文化とは一線を引いて、自国文化を強化し、政治的拡大を推進しました。だから、どこまで行っても、古いヨーロッパ文化の担い手ではないです。
この両国は古い文化を生活から切り離したおかげで政治的に成功しています。後発のアメリカやロシアはこの両国にならっていますので、いずれも文化という点では、ヨーロッパ文化の本質と比べると泥臭いです。
これらの政治的大国に対して、フランス、オーストリア、そして、この両国に影響を受けたヨーロッパの小国は、大国に対する反抗心から、パリやウィーンを文化的に愛しています。中東欧や南欧のハプスブルク文化圏には、小パリ、小ウィーンといった風情の、古いヨーロッパの文化が生活に根付いている小都市がたくさんありますよ。